
REFINERY DESALTER (精油所脱塩器) 技術紹介
Electro Dynamic Desalter (EDD) 脱塩器
当社は長年にわたって井戸元・製油所で培った原油用脱水技術・
経験を活かしてElectroDynamicDesalter® (EDD)を開発、AC技術
に比べて脱塩能率を飛躍的に向上させました。AC技術では複数の脱塩器・ミキシングバルブを組合せて多段式脱塩システムを構 成していましたが、EDDでは電気力を利用することにより単段(1ス テージのみ)で同等以上のシステムを構成します。
EDD脱塩器は以下の5つの特有技術を組み合わせることによって 次表に示すような高脱塩・高脱水性能を同時に得ることができて います。通常、出口塩分:1~2ppm-wt(as NaCl)かつ出口BS&W: 0.2vol%以下を安定的かつ継続的に得ることができています。 既設脱塩器をEDDに改造することにより限られたスペースを有効活用し、少ない投資費用で運転上の様々なご要望にお答えできる優れたコストパフォーマンスの脱塩システムとなります。
| 第一世代 (既設AC) | 第二世代 (NATCO®DP) | 第三世代 (NATCO®EDD) | |
|---|---|---|---|
| 脱塩技術 | AC電場のみ | AC-DC電場 | AC-DC電場 |
| 印加電圧 | 20kV以下 | 20~23KV | 20 ~ 60kV |
| 電極板仕様 | 金属ロッド(円筒棒) | 金属板 | コンポジット板 (耐温性FRP素材) |
| 可変電圧制御機能 | なし | なし | あり |
| 希釈・混合方法 | ミキシングバルブ (機械式) |
ミキシングバルブ (機械式) |
ミキシングバルブ (機械式)+ 静電場(電気式) |
| 希釈水使用量 | 4 - 6 vol% | 3 - 4 vol% | 5 vol%以下 |
| ボトム排水の循環量 | Max. 2 - 3 % (軽質油の場合のみ) |
~ 6 % (重・軽質油) |
5 - 10 % (重・軽質油) |
| 脱水性能 | 基準 | 優れている | 良い |
| 脱塩性能 | 基準 | 良い | 優れている |
| スラッジ体積量 | 基準 | 少ない | なし |
NATCO® EDDの特有技術
1 直交流電場 (NATCO® DP技術の利点を全て継承):
当社独自の電圧印加方式を使って電極板間に直流高電場を印加し、さらに電極板と油水界面(アース設置部)に対して交流高電場を同時印加することができます。直交流電場を用いることで交流電場では取除くことが出来なかったような微小水滴も除去できるようになり、これまでにない優れた脱水性能を提供します。2 コンポジット電極板 (高電圧を安定保持):
耐温性コンポジットFRP素材を使用し、電極板表面で電圧勾配をつけることで高電場を安定保持できます。コンポジット電極板の導入により悪質原油処理時に発生しやすくなるアークの発生頻度が低くなり、さらに出口BS&W(0.1vol%)を保持しつつ脱水容量を増やすことができます。各技術の電極板間の電場強さを表2に示します。| AC | DP | EDD | |
|---|---|---|---|
| 電極板タイプ | 金属棒 | 金属板 | コンポジット板 |
| 電極板間距離 | 1ft (304mm) | 6” (150mm) | 5” (127mm) |
| 印加電圧 | 20kV | 23kV | 20 ~ 40kV |
| 電場強さ | 66kV/m | 153kV/m | 157~314kV/m |
| 出口BS&W (*1) | ≤ 0.2vol% | ≤ 0.05vol% | ≤ 0.1vol% |
3 O/H希釈水 (静電脱塩(水)を実現):
脱塩器の頭部(Over Head, O/H)付近より上昇する原油流れに対向して電極板間に水滴を滴下するEDD特有のプロセスです。電極板間を自由落下する水滴は印加電圧が35kV以上になると分散(微細化)、原油と混合されます(分散過程と混合過程)。O/H希釈水はミキシングバルブを使った機械式混合と同様の役割を電気的に達成する為、これが脱塩器・ミキシングバルブの設置数を減らすのに貢献しています。分散された洗浄水滴は印加電圧が25kV以下になった時に再凝集され、重力方向に沈降します(凝集過程と沈降過程)。4 LRC-IIシステム (可変電圧印加方式で電気式脱塩を実現):
LRC-IIはトランス荷電制御を行い、EDDパラメーター(混合電圧・沈降電圧・分散時間・混合時間・凝集時間・沈降時間)を複数の混合油に対して設定できます。さらにトランスフォーマーからフィードバックされる電圧・電流をモニターしながらトランスの運転を制御するシステムで、脱塩器を安定運転させるための安全機能(低電圧トリップ・過電流制御など)が装備されています。付属の制御用PC(Linuxベース)を使って処理原油ごとにEDDパラメーターを簡単に変更することができます。5 電気式脱塩(水)技術:
O/H希釈水など原油中の自由水を凝集・沈降させる電圧(沈降電圧:20~25kV)と分散・混合させる電圧(混合電圧:35~40kV)を交互に変化させることで理論型多段脱塩を実現します。通常原油(API=30程度)の場合、分散・混合・凝集・沈降の4工程を3~6秒かけて繰り返すために電極板セクションを通過するまでに原油は理論的には16~33回ほど電気的に洗浄されることになります。すなわちO/H希釈水とLRC-IIによる可変電圧制御の組合せにより出口塩分は1~2ppm-wtとなります。運転のフレキシビリティーを広げつつ運転・保全費用を削減できます:
NATCO® EDD脱塩器は以下のメリットを提供します:
- 既設ACデソルターを改造することにより単段で2段式以上の運転性能を達成
- 業界No.1の脱塩性能
- デソルター排水の水性状の向上
- 脱水性能が向上するために通常原油・高粘度原油の処理量が増加
- 高電導率原油の処理比率を増やしてもトランスが短絡せずに脱塩プロセスを保持
- 解乳化剤の使用量の削減
- 少ない希釈水量(1.5vol%)で既設デソルターと同じ脱塩性能を保持
- 脱塩器を追加設置するスペースが無いユーザー様でもご利用可能 (省スペース)
- 改造した場合には新設AC脱塩器よりも低い投資コストで優れた脱塩性能を実現
- 山口学、中山敏雄、“原油脱塩技術”, 静電気学会誌、vol20(2), 1996

- SPE paper, “Advanced Electrostatic Technologies for Dehydration of Heavy
Oils”, SPE/PS-CIM/CHOA 97786, 2005












